質問コーナー

皆さんより寄せられた質問への回答をまとめました。
ぜひ参考にされてください。

1. 背骨について

Q.「背骨を感じる」なんですが、この背骨を感じる事が出来れば、日常生活やスポーツの中でどのような影響(効果)がでますでしょうか?

A. 今現在の状態によりどんな効果が出るかは変わってきます。
ですので、私の実体験やお客さんの変化などからお答えしたいと思います。

まず、現代人は背骨を感じられていない、という前提でお話を進めていきます。

背骨を感じられていないということは、歩くのであれば、脚を使いすぎている、何か荷物を持つにしても、腕を使いすぎている。
つまり、からだの中心ではなく末端を使いすぎていたり、負担がかかっているということになります。

そして、非効率なからだの使い方をしてしまうということ。
ですので、背骨の感覚を取り戻すことができたら、何をするにしても楽にできるようになるでしょう。
脚は軽くなり、腕も楽に使えるようになります。

僕自身、最初に先生のセミナーを受けたとき、帰りの電車で人生の中で一番からだが軽いと感じました。
ほかにも、背骨を感じられると、骨格が正常な位置に戻っていくと考えられます。

僕の場合ですと、肩の脱臼を15回も繰り返していたため腕が上がらなかったのが、肩甲骨の動きが良くなり、腕が上がるようになりました。
どれだけ、リハビリしても上がらなかったのにです。

膝の前十字靭帯を断裂し手術をしたときも、術後、正座ができなかったのですが、背骨を感じられるようになったおかげで、正座ができるようになりました。
これは、脚への負担が軽減されたため、膝が本来の機能を取り戻し楽に動かせるようになったためだと考えています。

お客さんでも、正座が何年もできないという方がいらっしゃいましたが、同じように、正座ができるようになりました。

このように、怪我をしやすい体、あちこち痛みがあった体が怪我をしにくく、痛みが出にくい体に変化したのも、背骨を感じるを実践してきたからだと考えています。

今、もし日常動作で不都合があるのであれば、それらは改善されるでしょう。
歩きやすくなった、姿勢がよくなった、猫背が改善した、疲れにくくなった、痛みが出なくなった、などなど、日常生活で変化をたくさん感じられるはずです。

スポーツでの効果ですが、僕は野球をやっているので、効果はめちゃくちゃ感じています。
何年も野球から離れていたのですが、今年に入って野球をやりはじめ、47歳になる体でも、成長を感じれて上手になっています。

ちょうど、動画にしたのでこちらをご覧いただければ、動きが良くなっていることがわかると思います。

スポーツでも日常動作でも同じなのですが、僕たちは、からだの使い方に癖があります。
その癖があることによって効率よく身体を使えていないということが多々あるのです。
背骨を感じるにフォーカスしていくと、それまで気づかなかった自分の癖に気づけるようになってきます。
癖に気づけたら、あとは、修正するだけなので、どんなスポーツでもこれまでよりも良いパフォーマンスが発揮されるのは間違いありません。
理想とする動きに近づくことができます。

人は年々衰えていくものです。
とくに、筋力などの体力要素は必ず衰えていきます。
僕自身も衰えを感じています。
しかし、からだの使い方の視点を駆使することで感覚は研ぎ澄まされ、技術力はあがるというのを実感しています。
歳をとって衰えていくということを考えなくなりました。
どんどん上手くなっていく、どんどん成長していく、そんなふうに思えています。

だから、とても楽しいんですね。
投げ方などは、現役のときより上手になっていると思うくらいです。
若い頃は、筋力などの体力要素にまかせてプレーしていたんですね。
今の自分ならわかります。

ここまでお話ししてきたことは、背骨を感じるという視点だけのことではありません。
いつも、生徒さんやお客さんには言っていることなのですが、からだの使い方の視点は『星の数ほどある』ということ。
だから、背骨を感じるだけをやっていればいいというわけではありません。
他にもたくさんの視点があるのです。
その視点の数々をからだのトリセツ有料版では今後お伝えしていく予定です。

ですので、背骨を感じるだけがすべてではない、ということは、覚えておいてください。

 

Q. この背骨の感じるトレーニングをしていけば、無意識に背骨を感じた動きになるのでしょうか?

A. 背骨を感じるトレーニングを重ねていくと無意識にできるようになるのか?ということですが、無意識化できるまでは意識をし続けるというのが答えになります。

たとえば、爪を噛むという癖があったとしましょう。
その癖を修正するのに、最初は、意識して爪を噛みそうになったら止めるという作業をしなければいけません。
意識する期間が必ず必要だということですね。
2ヶ月、3ヶ月意識し続けていたら、やがて無意識でも爪を噛まなくなるわけです。

からだの使い方にはさまざまな視点があります。
その視点一つ一つを無意識化されるまで意識する。
この繰り返しによって、からだの使い方がバージョンアップされていく。

僕自身もこうやってからだの使い方のレベルが上がっていきました。
意識しているうちはまだ身体に落ちていないし、意識の量が足らないということです。
そんなふうに考えてもらえると良いと思います。

 

Q. 「背骨が強いと押されたまま立てる」なんですが、受け手側(背骨を感じる側)が背骨を感じるのは、首から腰までの背骨全体を感じるイメージなのか、ピンポイントに特定の場所(胸椎7番とか、違う箇所)を感じるのか、どんなイメージで背骨を感じるのが良いでしょうか?

A. 相手から押されて立つ時は、背骨全部を感じるというイメージになります。
背骨全部を感じられているかどうかは、検証で確認してみてください。

まず、相手から押された時に、しっかりと止まれる身体を作ります。
背骨全体を感じれていないと、止まることができません。

止まれたら、その時の感覚が背骨を感じられている状態なのだと、自身の感覚としてわからなくても、一旦、確定させていくと良いと思います。
現段階で感じられるものが、その状態であると確定するのです。

稽古を続けていると、やがて、確かにその状態になっている、ということがわかるようになってきます。
それが、進化成長しているということですね。
興味を持って自分自身の身体を観察していると、必ず、確かに理解できたという時がやってきます。
そこは、ご自身の身体の感覚を信じて良いと思います。

 

Q. 先生が「繋げる」と言う言葉をよく言われていますが、それは例えば胸椎7番がスタートとすると、そこから順番に他の椎骨に繋げて行くといったイメージでしょうか?

A. 繋げるの意味は『点と点をつなげて線にする』ということを言っています。

これは、先生から学んだことなのですが、一つの点の感覚がないのに、その点を線として繋げることはできないと教えてもらいました。
一つの点を確かな感覚にすると、その点と点を繋いで線にすることができるようになってきます。

まず、一つ一つの背骨の感覚を確かなものにすれば、どこからでもどのようにでも繋げることができる、そんな捉え方をしています。

 

Q. 「応用編1’b 背骨の可動域を限界まで動かす」ワークは動画では胸椎7番を使ってやっていますが、このワークは他の骨(腰痛4番など)を使っても良いのでしょうか?

A. はい、すべての骨を限界まで動かせるようになるのが理想になります。
ただし、 力んでしまうと痛みや怪我のリスクが高まるので十分気をつけて行ってください。

胸椎7番あたりの動きや感覚が悪くなっている方が多いことや、私自身、胸椎が動くようになったことで、腰椎の動きも良くなった、という経験があるということ、こういったことを踏まえて、動画では胸椎7番で検証を行っています。

基本的に、自身の身体で試して、実感したことを、人にお伝えするようにしています。
そうすることで、自分の言っていること、やっていることに、嘘や矛盾がなくなり、真摯にお伝えすることができるようになりました。

質問いただいた方も、患者さんと真摯に向き合おうとされていると思うので、引き続き、動画を参考にいろいろと試しながら納得いく答えを導き出してほしいと思います。

 

Q. 「応用編1’c 背骨を限界まで使って立ち上がる」ですが、このワークは胸椎7番限定でしょうか?
そして、普段からこのように背骨から立つ意識で立つと良いのでしょうか?
又、背骨から立つ意識によって、下肢の負荷も減り、膝なども痛めやすくなりますか?

A. 胸椎7番限定というわけではありません。
胸椎6番、8番なども動かされるという感覚があるとさらに良いです。

ご自身の感覚の中で胸椎7番が確かな感覚になったと感じられたら、他の骨でも試されると、より思った通りに動かせるようになると思います。
スタジオのお客さまには、普段から、胸椎7番あたりを感覚しながら立ったり歩くことを推奨しています。

おっしゃるように、背骨に意識を向けていると、下肢の負荷も減り、膝なども痛めにくくなります。
背骨を意識することで、脚への意識や感覚が変わり本来の動きを取り戻していく方が多くいらっしゃいます。
当スタジオでも、これまでたくさんの方に喜んでいただいています。

 

Q. 背骨の意識と言うのは丹田を意識するのと似ているのでしょうか?それとも全く別な意識になるのでしょうか?

A. 背骨と丹田のご質問から私の考えをお答えします。

背骨の意識と丹田を意識するのと似ているか?ということですが、似ていると言えば似ていますし、違うものといえば違うものになります。
背骨は、物理的に解剖学的に確かにあるものです。
繊細に感覚することもできます。
その分、丹田よりも確かな感覚にすることができると感じてます。
背骨を感じられているかの検証法を動画を参考にしながら、確実な感覚を目指して今後も実践してみることをオススメします。

背骨を感じることは、大きなところで言うと『確かな感覚を得るための一つの手段』です。
日本の身体文化を体現するには、具体的な身体の使い方の訓練が必要になると思うのですが、個人的に、『背骨の感覚』を探求していくのが理解するための近道だと感じています。

最近、『下丹田』の感覚をこれまで以上に感じることができる出来事がありました。
自分の人生の中で一番経験のある野球の取り組みの中で感じたのです。
なので、かなり信頼できる感覚だとは思いますが、達人が言う『下丹田』には及ばない感覚でしょう。

『下丹田』は物理的に解剖学的にあるものではありませんが、感覚としては存在しているものだと思います。
それに対して『背骨』は、実際にあります。
なので臨場感が高い。

何となくの感覚ではなく、コレだ!と自分の中で確信できるときが、レベルごとにやってきます。
その時を楽しみにしながら、引き続き取り組んでみてください。

 

2. 指先について

Q. 「応用編2’a 指先が強くなるとできること」で、この技をかける時に相手の肩に指を置きますが、この指の圧は軽くのせているだけでしょうか?圧はどれくらいかけておくと良いでしょうか?それか、Tシャツ→皮膚→筋膜といって感覚を深めるにつれて圧を強めて、最後に落とす感じでしょうか?

A. 指の圧がどれくらいというのは、相手によって違います。
触れている指は相手と同調するからです。

相手が違和感を感じない圧になります。
もう少しわかりやすく言うと、肩コリのコリがあるとしますよね。
そのコリの芯を捉えている感覚です。

感覚をお伝えするのが難しいのですが、薄くもなく、強くもなく、ちょうど良い圧、一体感を感じるような感覚です。

同調したときにはじめて、思ったように相手を動かすことができるようになるので、ピンポイントで相手が崩れる点や動かし方をみつけられるまで、繰り返し練習してみてください。

 

Q. 動画では親指メインで他の指は軽く触れているかいないかくらいに見えるのですが、指は親指のみ、又は五指全部でも同じように技はかかりますか?この技だけはいろいろチャレンジしていますが、全くできずに苦戦していますのでコツなど教えて頂ければ嬉しいです。

A. 親指のみでも五指全部でもかかります。

技がかからないとき、かからない原因は無数にあります。
指だけの問題ではありません。

たとえば、来月動画でお届けする『同調する身体』という視点も大切です。
また、自分の癖が出ることで相手に違和感を与えてしまい、技がかからないということもあるでしょう。

実際にどのように技をかけているかを見ることができれば、より効果的なアドバイスができると思いますが、一つだけコツをあげるとするなら、『やらないこと』です。
技をかけようとするとかかりません。ですが、やらないけどやるのです。

いつもご質問いただき、ありがとうございます。
人を縦に落とすのは非常に難しい技になります。
私も非常に苦労しました。
引き続き、からだのトリセツ動画を見て・真似て・やってみて、何かコツをつかんでほしいと思います。

 

 

 

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