前回は、新しく始める「身体感覚ラボ 覚醒プログラム」について、少しお話ししました。
なぜ、6名だけなのか。
半年間、月2回、全12回、そして、もう一つ今回の稽古には、最初から決めていることがあります。
それは、
参加人数を6名までにすること。
もっと多くの人に伝えたい、という気持ちはもちろんあります。
それでも今回は、少人数でやろうと決めました。
なぜなら、私が目指すのは「身体の使い方を教える講座」ではないからです。
例えば、
「背骨はこう使います」
「ここに重心を置いてください」
「もっと力を抜いてください」
と私が説明して、参加者の方が、「なるほど」と理解する。
それだけなら、大人数でもできると思います。
でも、
私がこの半年間で一緒にやりたいのは、その先にあることです。
実際に身体に触れ、動いてもらい、その人が今、何を感じているのかを見る。
「今、どこに力が入っていましたか?」
「足の裏はどう感じました?」
「さっきと今で、何が違いますか?」
そんな問いを重ねながら、一人ひとりの身体の中で起きていることを、一緒に探っていきたいのです。
なぜなら、
同じことをやっても、感じることは人によって違うからです。
ある人は、足の裏に変化を感じるかもしれない。
ある人は、背骨かもしれない。
ある人は、「何も分かりません」となるかもしれません。
でも、それでいいんです。
私自身も、最初は何も分かりませんでした。
武道の稽古を始めた頃、「もっと力を抜いて」と言われても、
「いや、抜いてるんだけどな…。」
と思っていました。
自分では抜いている。でも、相手からすると抜けていない。
自分では真っ直ぐ立っている。でも、実際には傾いている。
自分の身体なのに、自分が感じていることと、実際に起きていることが違う。
あの頃の私は、そのことにすら気づいていませんでした。
そして師匠から、
「できるできないじゃない。ただ、感じるだけや」
と言われたところから、私の身体の見方は少しずつ変わっていきました。
だから今回も、
「できました」
「できませんでした」
だけで終わる稽古にはしたくありません。
大切にしたいのは、
何を感じたのか。
そして、
なぜ、そうなったのか。
一緒に考え、一緒に試して、また身体で確かめる。
感じる
気づく
修正する
検証する
この循環を、半年間、一人ひとりと丁寧に回していきたい。
そう考えると、10人でも多いと思いのです。
6名。
私自身が、一人ひとりの身体をちゃんと見られる人数。
そして参加する人同士も、ただ同じ講座を受けている人ではなく、お互いの身体を通して学び合える関係になれる人数。
それくらいが、今の私にはちょうどいいと思っています。
そして実は、「一人ではなく、誰かと探究する」ということ自体にも、大きな意味があります。
一人では気づけないことが、人に触れた瞬間、突然わかることがあります。
自分の身体だけを見ていたら分からなかったことが、誰かの身体を感じることで浮かび上がってくることもあります。
だから覚醒プログラムでは、一人で黙々とエクササイズをするだけではなく、
二人で行う「対人稽古」
をとても大切にします。
これは、
上手い人と下手な人に分かれて
技を競うためのものではありません。
「今の身体は自然だったか」
「力はどこから伝わったのか」
「何を変えたら、反応が変わったのか」
それを相手の身体を借りて、確かめるための稽古です。
自分では「できている」と思っていても、相手に触れた瞬間、
「あれ?」となる。
この「あれ?」が、ものすごく大事なんです。
そこから、身体の探究が始まるからです。
半年間、6人の仲間と一緒に、
感じて
気づいて
試して
確かめる。
誰かから正解を教えてもらうのではなく、自分の身体から、
少しずつ答えを見つけていく。
そんな場所をつくりたいと思っています。
次回は、
「半年間で、具体的に何を探究していくのか」
についてお話しします。
背骨
足裏
股関節
肩甲骨
呼吸
歩く、走る。
そして、対人稽古。
ただし、これらを「正しく使えるようになる」ことが目的ではありません。
その先にあるものを、半年間かけて一緒に探究していきます。


